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高周波歯科治療

高周波歯科療法とは

高周波歯科治療とは、周波数の高い電波を細胞にあてることにより細胞内成分の電気を変化させて1つの細胞の自然治癒力を高める治療です。
電波に帯電した細胞は新陳代謝が活性化されます。高周波治療はそれを利用して行う療法です。
電波を照射するといっても、患者さんが感じるのはピピという音が聞こえるだけでほとんど痛みは感じません。


高周波歯科治療の適応症

高周波歯科治療の適応症は、切開、止血、虫歯で痛くなった場合(歯髄炎)、歯が崩壊し歯肉が腫れた場合(根尖性歯周炎)、歯肉のみが出血したり、腫れた場合(歯周炎)、口内炎 、知覚過敏、口が開かなくなった場合(開口障害:咀嚼筋由来)と適応範囲は広いです。
レーザー治療と適応は重複しますが、当野原歯科医院では適応を選択し治療を行っています。

高周波歯科治療機器と治療風景

以下は高周波歯科治療機器と治療風景です。
高周波歯科治療機器と治療風景

高周波歯科治療機器の目的

高周波歯科治療機器は一般歯科診療で有効に使用でき、用途範囲も広く活用できます。
この機器は根管長測定(歯牙の長さを測る)、根管内洗浄も可能です。
また、歯周基本治療の除石(スケーリング)も行えます。

初期の智歯周囲炎(親知らずの痛み)などは智歯周囲の歯周ポケットに高周波殺菌を試み成果を上げています。
この機器も様々な症例で利用できます。


高周波歯科治療機器の用途(歯内療法)

高周波歯科治療機器の用途は歯内療法に用います。歯内の神経(歯髄)を除去する場合に使用します。

局部麻酔を行い歯髄を除去するわけですが、歯髄の一部が残ることがあります(残髄)。
その場合に歯科小器具を高周波機器に接続させ、残髄部分を焼灼し、歯髄の痛みをブロックします。微小電流なのでほとんど痛みを感じません。

また、感染根管処置という用途があります。この場合、歯髄は失活しており、しかも細菌感染しているので、抜髄と同様に歯内へ歯科小器具を挿入させ高周波機器に接続し、歯内と根の先の病巣を焼灼し細菌の滅菌を行います。


高周波歯科治療機器の用途(歯牙長測定モード)

高周波歯科治療機器の中に根管長測定モードというのがあります。電気抵抗を利用して歯牙の長さを測定するモードです。
歯牙の長さを正確に測定して、歯内療法を行うために必要なモードです。
歯内にリーマなど歯科小器具を挿入し歯牙と周辺組織の電気抵抗を測定して歯牙の長さを測定します。
歯内に挿入したリーマとレントゲン写真も活用するとさらに効果が上がります。

高周波治療機器用途(歯周病・歯槽膿漏)

歯周病の場合は高周波治療機器に接続されたプローベ《極細の金属の棒》を歯と歯肉との溝に差し込み通電させます。しかし、痛みはほとんどありません。
歯周病の原因は歯肉の溝にあるので、その溝に生息する細菌を焼灼し滅菌させて、歯肉の回復をはかります。
智歯周囲炎も智歯自体に原因があるのではなく周辺の組織即ち歯肉の溝にプローベを差し込み通電させます。初期の智歯周囲炎では効果をあげています。
智歯周囲炎が重篤になり、腫れ、膿、熱発などの不快症状が起こった場合は外科処置、投薬も併用します。

高周波治療機器用途(知覚過敏)

知覚過敏は口に水を含んだ時、歯ブラシをした時、金属の詰め物、被せ物を咬んだ時に(キリッと)と不快感が生じます。
高周波はこの不快感を取り除くのに有効な治療方法です。
患部(しみる歯面)に直接プローベを接触させ通電させます。
金属の詰め物、被せ物ものは金属部に通電させます。象牙質を通電させることにより痛みを感じる通路をブロックします。
その結果、キリッとした感覚は消失し除痛されます。知覚過敏抑制剤を歯面に塗布し同時に通電させる方法あります。

高周波治療機器用途(開口障害・口が開かない)

高周波は開口障害(口が急に開かなくなった)にも有効です。
上部写真のように関節部に平たいプローベをあて一定時間通電させます。
開口障害は周囲の筋肉が硬くなり自由度を失った状態です。そのこわばった筋肉を高周波により温めて、弛緩させ開口を促します。
一時的ですが、何度も繰り返すうちに開口できるようになります。
ただ、効果がないのは筋肉以外の顎関節部の軟骨などの器質的変化です。
その場合は精査が必要で、専門病院へ紹介となります。