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2018年05月07日 歯の健康一口メモ

歯周病とバイオフィルム 2

前回はバイオフィルムの歯肉に対する為害作用について説明しました。
今回はその予防方法と治療方法について解説を致します。
口腔内で浮遊する細菌が歯面、歯肉溝に沈着しますと、それぞれの歯周病細菌が粘着性の糖タンパクを出し合ってお互い同士反応します。それが歯面に強力に接着して次第に増大し集落を形成します。これがバイオフィルムです。
表面は糖衣といってショ糖とタンパク質の化合物で覆われ、いわゆるぬめりを形成します。このぬめりは自己の免疫機構では除去できません。また、単一の抗菌薬もこのぬめりに浸透し分解できません。
バイオフィルムを治療するには2種類以上の抗菌薬を使用します。一種類の抗菌薬がぬめりを分解し、それが破壊されたところで別の種類の抗菌薬が深部に存在する歯周病菌を殺菌します。
このバイオフィルムを予防する方法は、なんといっても抗菌薬に頼らない機械的刺激によって除去するブラッシングなのです。歯科医がブラッシングを推奨するのは歯面の汚れを落とすことにとどまらず除菌のことを指しているのです。